突然ですが、
「初心を思い出す」
あなたなら、
英語でどう表現しますか?

今回は、
英語って本当に奥が深いな、
と感じた出来事を
ご紹介したいと思います。

以前受けていた英語のレッスン中に
先生から
「仕事をする上で
大切にしていることは何?」
という質問をされました。

私のこの質問に対する答えは
「初心を思い出す」
だったんですね。

仕事でも何でも、
経験を積んでいくと、
最初の頃のひたむきな気持ちや、
「もっと学びたい」という姿勢を
忘れてしまうことがある。

人間なので、
忘れること自体は仕方がない。

だから私は、
忘れないようにするというより、
定期的に
「初心を思い出す」
ことを大切にしています。

そこで私は、

「初心」は、
a beginner’s mind
「思い出す」は
recallかなと思い、
こんな英文を作りました。

I try to recall a beginner’s mind.
「初心を思い出すようにしている」


ところが先生から、
「意味は分かるけれど、
その表現は少し不自然」
と言われたんですね。


え?
recallって
「思い出す」じゃないの?
と思ったのですが、

先生が教えてくれたのは
embrace
という単語でした。

embraceには、
物理的に
「抱きしめる」
という意味もありますが、
考え方や変化などを
「前向きに受け入れる」
「自分のものとして取り入れる」
という意味もあります。

例えば、

embrace change
「変化を受け入れる」
embrace diversity
「多様性を受け入れる」
など。

一方で
recallやrememberは、
基本的には、
記憶・出来事・情報などを
思い出す時に使います。

I remember how nervous I was
when I first started.
「始めた頃、すごく緊張
していたことを覚えている。」

と使います。


今回なぜ
”embrace”
を使う方が
文脈として自然だったのか。

それは、
「初心を思い出す=embrace」
ということではなくて、
私がその時に
伝えたかったことに、
embraceが一番
しっくりきたからなんです。

私が言いたかったのは、
過去の出来事や記憶を
思い出すことではなく、
また、
単純に初心者だった頃の状態に
「戻る」ということでもない。

経験を積んでも、
知っているつもりにならず、
初心者のように好奇心を持って学ぶ。
謙虚な姿勢を持って仕事に向き合う。
そんな「初心者の姿勢」を
改めて自分の中に取り入れていく。

私が伝えたかったのはこの文脈だった。

だから、
I try to embrace
a beginner’s mindset.
という表現が
この文脈では自然だったんです。

もし、
「初心者だった頃の姿勢に戻る」
という意味で
「初心に帰る」と言いたいなら、
I try to get back to
a beginner’s mindset.
でもOK。


つまり、
日本語では同じ
単語を使って表現しているものも
英語では自分が
何を伝えたいのかによって
選ぶ動詞が変わることが
あるのです。


これを聞いた時、
めちゃくちゃ面白い!
と思ったんですよね。


日本語では、
「初心を思い出す」
と言うけど、

でも英語では、
何を「思い出している」
のかによって
動詞が変わる。

例えば、

remember / recall
→ 記憶・出来事・情報を思い出す。
I remember how nervous I was
when I first started.
「始めた頃の緊張を思い出す。」

remind myself
→ 忘れていたことを自分に再認識させる。
I remind myself why I started.
「なぜ始めたのかを
自分に思い出させる。」

reconnect with
→ 忘れかけていた気持ちや
価値観と再びつながる。
I reconnect with
my original motivation.
「最初の気持ちに立ち返る。」

get back to / return to
→ 以前の姿勢や状態に戻る。
I try to get back to
a beginner’s mindset.
「初心に戻るようにしている。」

embrace
→ その考え方や姿勢を
改めて受け入れ、自分のものとして取り入れる。
I try to embrace
a beginner’s mindset.
「初心者の姿勢を
改めて取り入れるようにしている。」


こうやって並べてみると
日本語では1つの表現でも
何を伝えたいかによって
これだけ英語では表現が
変わるのが分かりますね。


ただ、この投稿を読んで
くださった方の中には

「さらに英語のハードルが上がった。
こんなの使い分けられない」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。


そこでお伝えしたいことは
最初からこんなに細かく
ワードチョイスを
気にしすぎなくていい、
ということ。

私が最初に使った
I try to recall a beginner’s mind.
でも、
言いたいこと自体は相手に伝わる。

まずは、自分が知っている英語で文章を作ってみる。

それができるようになったら、
「もっと自然に言うなら?」
「このニュアンスならどの動詞が合う?」
と、少しずつ言葉を入れ替えていく。

この順番が超重要です。

最初から完璧な英語、
ネイティブが使うような表現を
丸覚えしようとするから
定着しない。

まずは自分が使いやすい、
思い浮かぶ単語で文章を作ってみる。

そして、
少しずつ洗練させていく。
これを繰り返すことで、
自分の英語が
どんどん深くなっていきます。

自分がすでに知っている単語を
「こういう時には
この言葉を使うんだ」
と少しずつ深く知っていく。

それによって、
英語の解像度が
どんどん上がっていく。

私はこの、
「この場面には、この言葉なんだ!」
とカチッとはまる瞬間が
めちゃくちゃ好きで、
それが一つの英語学習の
モチベーションになっているんですよね。

今回のembraceも、
私にとって
忘れられない単語になったし
こういう細かな違いを知るたびに、
英語って
本当に学び続けるものだな、
と感じています。

あなたはどう思いましたか?
是非感じたこと、
ご感想があれば教えてください。