先日、アメリカ人
ビジネス英語コーチのJasonに
以前から気になっていたことを
質問してみました。
それは、
「部下」の表現の仕方について。
英語だと
部下=subordinate
と覚えている方も
多いのではないでしょうか。
でも、アメリカで生活していると、
subordinate という単語を
あまり耳にしないんですよね。
私の中でもsubordinateって
かなり強い表現で、
軍隊で使うような認識でいました。
そこでアメリカ人ビジネス英語コーチの
Jasonに、実際に
英語ではどのように表現するのかを
聞いてみました。

まず、subordinate =部下は
間違いではない。
でも、
“It’s used.
I just don’t think that it’s very politically correct.”
だと。
つまり、
「使われる言葉ではあるけれど、
あまり配慮のある表現ではないと思う」
ということ。
なぜかというと、
subordinate には
自分より下の立場にいる人、
という意味があるからです。
さらにJasonは、
相手が自分より劣った存在であるかのように
聞こえてしまい、失礼に聞こえるとも
教えてくれました。
アメリカの職場では、
相手との上下関係を必要以上に
強調しない表現が選ばれることも多い
そうです。
では、実際にネイティブの方は
「部下」をどう表現するのでしょうか。
Jasonが教えてくれたのは、
direct report
という表現でした。
例えば、
“I have three direct reports.”
「私には直属の部下が3人います」
という意味です。
report と聞くと、
報告書を思い浮かべるかもしれませんが、
ここでは自分に直接報告する立場の人、
つまり直属の部下を指しています。
ほかにも、
team member(チームメンバー)
staff member(スタッフ)
employee(従業員)
colleague(同僚)
など表現できます。
相手との関係の伝わり方が
変わってくるわけです。

さて、ここでJasonが、
面白いことを話してくれました。
“In the United States, truthfully, we have the same hierarchy, but it’s not as strong.”
「正直、アメリカにも(日本と)同じような
上下関係はあるがそれほど強くはない」
そして、
“We’re not actually enforcing the hierarchy with the name of the title.”
「役職の呼び方によって
上下関係を強調しているわけではない」
ということでした。
もちろんアメリカでも、
上司には意思決定の権限があって、
部下にはそれぞれの役割があります。
でも、その上下関係を
普段使う言葉で必要以上に
強調しないことがあるんですね。
日本語では当たり前のように使っている
「上司」「部下」という言葉も、
英語にそのまま置き換えると、
相手に与える印象が
変わってしまうことがある。
これって面白いですよね。
ちなみに私が
「subordinate って、
軍隊で使われそうな言葉だね」
と伝えると、
Jasonは、
“Exactly!”
と反応してくれました。
軍隊では階級や上下関係が
より明確に示されるので、
subordinate という言葉も
使われるそうです。
同じ英語でも、使う場面によって、
自然に聞こえる言葉が変わるんですね。
今回の会話で、
改めて感じたことがあります。
それは、
日本語と英語で、辞書上は同じ意味でも、
言葉のニュアンスまで同じとは限らない
ということです。
例えば、
「部下」を辞書で調べると、
subordinate という単語が出てきます。
でも、実際のビジネスの場面では、
team member
direct report
employee
など、
相手との関係や
伝えたいことによって、
自然な表現が変わるのです。
実は私、最近アメリカの大学院で
言語や意味について学んでいるんです。
その中で、
言葉の意味は、
ほかの言葉との関係によっても
形作られるという考え方に触れました。
今回のJasonとの会話を通して、
まさにそういうことなんだなと
改めて感じたんですね。
英語を学ぶというのは、
日本語を英単語に
置き換えることだけではない。
その言葉を使う人たちが、
人間関係や社会を
どのように捉えているのか。
そういった背景を知ることで、
英語の理解もさらに深まっていくと思います。
もしあなたも、
仕事で英語を使う機会があれば、
「この日本語は英語で何と言うんだろう?」
だけではなく、
「この場面で、ネイティブなら
どんな言葉を選ぶんだろう?」
という視点でも考えてみてください。
単語の意味を覚えるだけでは
気づかなかった発見が
きっとあると思います。

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